シュリンク包装機
シュリンク包装機とは
商品の集積及び保護を目的して、製品をコンベアに乗せるだけで自動的に包装してくれる、熱収縮性プラスチックフィルムによる梱包機械です。
シュリンクフィルムの種類と特徴
PVC(ポリ塩化ビニル)
長所
- 低温で収縮する。
- 成型加工可能。
- 透明性が良い。
- コシが強い。
短所
- 空間シール面が破れやすい。
- 自然収縮をおこす。
PP(ポリプロピレン)
長所
- 透明性が良く、低温に強い(耐寒性)。
- 防湿性、耐熱性がある。
- PVCに比べコストが安い。
- フィルムの印刷加工がしやすい。
短所
- 空間シール面が破れやすい。
- 自然収縮をおこす。
PE(ポリエチレン)
長所
- PPよりシール強度がある(重量物に適している)。
- 収縮率が非常に大きい。
- ブロッキング包装ができる。
- 弾力性がある。
短所
- 衝撃に弱い。
- 自然収縮する。
- 耐薬品性が悪い。
PO(ポリオレフィン)
長所
- 収縮率が高いので仕上がりが良い。(ツノ・シワ無し)
- 突刺し。引裂強度強い。
- 比較的低温で加工可能なので製品に余計な熱がかかりにくい。
短所
- 価格が比較的に高い。
- 開封性が悪い。
PS(ポリスチレン)
長所
- 透明度が良い。
- 熱収縮性が良い。
短所
- 衝撃に弱い。
- 自然収縮する。
- 耐薬品性が悪い。
PET(ポリエチレンテレフタレート)
長所
- 透明度が良く、強度が高い。
- 耐薬品性に優れている。
- 熱膨張係数が小さく、寸法安定性に優れている。
短所
- 加工が難しい。
- 開封が難しい。
シュリンク包装の各種形態
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L型三方シール
片開き(半折加工されたもの)の二軸のフィルムを使用して、L字型の熱線または溶断ヒーターでフィルムを折り目以外の三方をシールして、製袋包封する方法です。
特徴
あらゆる物、さまざまな物に対応可能です。手動または自動が選べ、低速、中速の処理能力です。
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ピロー型三方シール
ピロー(枕)の縫い目のようにH字型に包封する方法です。ロール状のフィルムをフォーマーでチューブ状にし、その中に被包装物を入れ、チューブ状のつなぎ目と前後をシールします。
特徴
一定の大きさの物を高速で大量に包装できます。機械としては、横ピロー、逆ピロー、縦ピロー等。
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オーバーラップ(キャラメル包装)
キャラメルやタバコのパッケージでおなじみの包装です。ロール状のフィルムで被包装物を巻き込み、折り目の反対側を溶着して筒状にします。両端のあまった部分を台形に折りこんで包封します。
特徴
ティアテープをフィルムに施す為、開封が容易です。手動機と自動機があり、自動機では高速、超高速で包装できます。
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スリーブラップ・四方シール
被包装物より少し幅の広いロール状のフィルムを上下で2本使用します。上下のフィルムをシールしカーテンの様に待機させ、I字型のヒーターで溶着、溶断し、全体を熱収縮させて包装する方法です。
特徴
小箱類の集積包装等に多く利用されています。密閉性はないので、シール部よりの開封は容易です。低速、中速の処理能力で包装できます。
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キャップシール
横一軸のフィルムを筒状に加工してビン等のキャップ部に被せ、熱収縮させる方法です。容器内容物の改ざんを防止し、その品質を保証する目的で使用します。
特徴
チューブ状のフィルムを使用する場合と被せる度合いを一定にするために予備成型したフィルムを使用する場合があります。自動機はがあり、中速、高速で包装できます。
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ラベルシュリンク
横一軸のフィルムをチューブ状に加工し、ビン等のキャップより底面まで、または一部のみに被せて、熱収縮させる方法です。透明のフィルムと印刷フィルムを使用します。
特徴
ラベルの表示機能、品質の保証機能、容器の保護機能等を併せ持っています。機械としては中速から超高速まで包装できます。
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R製袋
一軸または二軸のフィルムで作った平袋の底部の角を丸く溶断したものを使って熱収縮させる方法です。
特徴
最初から角の立つ部分を切り落している為、フィルムが被包装物により良く密着します。その為曲面が多い物体によく使用されます。自動装着機も存在するが、手動着のケースが多いです。